へなちょこセリオものがたり

その107「飲み放題っ」








「ふぅ、いいお湯だったぜぇ」

「ええ、全くデス♪」

 ほにゃ〜んとしてるセリオが、嬉しそうにそう言って。

 湯上りセリオの濡れた髪。
 ほつれ毛をなで付けるフリをしながら、首筋をさわさわしたりして。

「さぁて、いつもの湯上り一杯といきますかぁ〜」

「浩之さんっ、その前にせめて下履きくらいはっ」

「パンツって言え、或いはトランクス」

 タオルを首にかけ、揚々とキッチンへ入った俺。
 冷蔵庫を開けて、例のアレを取り出そうとしたが。

「……セリオ」

「はい?」

「何故、○ルピスがないっ!?」

「あ……申し訳ありません、切れてしまったようで……」

 っていうか、俺がキレるぞ。
 常にコレだけは切らさないようにって、いつも言ってるじゃねぇかっ!

「だぁぁっ、ふざけんなぁ! お前、俺に喧嘩売ってるのかっ!?」

「そ、そのようなつもりは……」

 あるのか? あるんだなっ!?

「ええい、もういいっ!」

 ばたんっ!

 俺は冷蔵庫の扉を叩き付けるように閉じ、その場を後にする。
 くそっ……折角セリオと風呂に入っていい気分だったのに……台なしだぜっ。

「私……何てことを……」

 たたた……ぱふっ。

「浩之さん、お待ちを」

 ふににっ……。

「ななな何だよ、背中に胸を直接当てたって俺の機嫌は直らないぞっ!?」

 かなり陥落しそうではあるが(爆)。

「そっ、その……明日、明日は必ずご用意しますから……今日はお許しをっ」

「お前なぁ……!」

 俺は抱き着いてるセリオを引きずるように、どたどたと居間へ移動。
 ほぼ全裸の彼女をソファーに引きずり倒し、その上に圧しかかる。

 ぐいっ……。

「許せることと、許せないことがあるんだぞ……?」

「そっ、そこを何とか……」

「許さんと言ったら、許さんっ!」

「……浩之さん」

 ……きっ!

「ではお聞きしますが……浩之さんは私とカ○ピス、どちらが大事だとお考え
ですかっ!?」

「何ぃ?」

「あんな白濁しててどろどろでべたべたな液体、アレのどこがいいとっ!?」

「ばっ、ばっ、馬鹿にするかぁっ!?」

 俺は何気なく○ルピスの瓶を取り出して。

 きぽんっ……とろとろとろぉ〜……っ。

「ほれ……お前だって、コレかけられるの大好きだろ……?」

「ああっ……お、お止めになってくださいっ……」

 ぴととっ……ぼたっ……。

 セリオの顔、胸、腹……終いには脚にまで。
 まんべんなく白濁液を撒き散らし、やっと俺は満足する。

「ほら……全部綺麗に舐めろよ」

「ううっ……はい……」

 セリオは、それらを指ですくい取って口へ運ぶ。

「うぷ……」

「全部だ」

「は、はい……」

 涙目になりながら、セリオは健気に全て舐め。

「浩之さんっ……お怒りは、鎮まりましたでしょうか……?」

「まだだ……指で拭った程度じゃ、まだ全身べとべとだろ……?」

 俺は手始めに、セリオの唇を一舐めする。

「あっ」

「へへっ……いい味してるぜ、セリオ?」

「やっ……変なコト、言わないでくださいっ……」












「はぁ、はぁ……」

 セリオの横に、息を切らしながら横たわる俺。
 きょ、今日は何だか……燃えたなぁ(爆)。

「あの……」

 たりっと口の端から白い液を垂らしながら、バスタオルで身体を隠すセリオ。

「ん?」

「先程のカ○ピス……一体どうなさったのですか? 傍にあったようには見え
ませんでしたが……」

「……俺もわかんねぇ」

 うちの全ての在庫管理は、セリオが統括している。
 よってセリオが『ない』と言えば、それはうちにはないっつーことで。

「どこから出て来たのでしょうか」

「……知らねぇよ」

 俺が聞きてぇくらいだし。
 っていうか使い切っちゃったし(爆)。

「あ」

「ん?」

「飲みますか、コレ?」

 でろっ。

「……いらね」

 それ、違うのだし(爆)。






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