へなちょこセリオものがたり

その110「学問のススメ」








「勉学デス」

「……あぁ?」

「お勉強なのですぅ」

 いきなり何でだよう。

「お傍で、サボらないように見張るのですぅ」

「わからないことがあったら、何なりと聞いてくださいネ」

 まぁ……ここんとこ、家じゃ何にもしてなかったし。
 教えてもらいながらやるんだったら大丈夫だろ。






「……それでは、この書類を処理してください」

 ぴらっ。

 あ、今日学校で出された宿題のプリントだ……忘れてた(爆)。

「その前にさぁ……何でその格好なんだ?」

 つーか課題のプリントを書類って言うな。

「折角デスクワークするのですから、それに合わせた格好を……」

 俺は普段着なんだけど。
 お前等2人だけ変なオフィス服ってのもなぁ。

「私達は、上司のお手伝いをするOLさんなのですぅ☆」

 お盆片手に、ことんと机の上にお茶を置くマルチ。
 ああ、今回はそういうプレイなのか(爆)。

「おっ、さんきゅ」

 ずず〜……っ。 

 俺はお茶を飲みながら、2人の身体に視線を這わせる。
 ……タイトスカートって、いいなぁ(爆)。

 お尻のラインがぴっちり出てるし……ああっ、触りてぇ(核爆)。

「マルチにセリオ、ちょっと来い来い」

「「はい」」

 とととと……。

「そこに立って、後ろ向いてみてくれ」

「「はい」」

 くるぅり。

「…………」

「あの、浩之さん?」

「……うりゃ」

 さわさわっ。

「ひゃっ!?」

「あんっ」

 ……ううむ、実にいい触り心地だ。
 そういや俺って、タイトスカートは未経験だし(←何がだ)……是非とも、
コレでお相手願いたいものだ。

 さわさわさわっ……。

「あの、浩之さん……宿題はいかがされたのですか?」

「あうあう、性的喜ばせですぅ」

 嫌がらせじゃないんかい。
 そんなこと言うと、もっと触っちゃうぞ。

「あー、マルチ君」

「はい、何でしょう」

「ここに座りたまえ」

 椅子に座っている俺は、自分の膝を指差して。

「はぁい♪」

 ぽふっ。

「あ……」

「ん? セリオ、お前も座るか? 立ったまんまじゃ疲れるだろう」

 俺は脚を開いて、マルチを左足に座らせて。
 すると、空いた右足の方に遠慮がちに座るセリオ。

「君達は、そこで私の手伝いをしてくれたまえ」

「「は〜い」」






「えーと……セリオ、この問題はどうすりゃいいのかなぁ」

 ふにっ。

「あっ……そ、そこは……っ」

「そこは?」

 ふにふにっ。

 俺は2人の背中に腕を回し、更にその脇の下から手を机の上に出している。
 書き難いことこの上ないが、こうすると手を動かす度に2人の胸が当たるん
だよなぁ。

「おっと……間違った、消しゴム消しゴム」

 ごしごしごし……。

 ふにふにふに……。

「やぁぁぁぁんっ」

 うんうん、俺も楽しく勉強出来るってもんだ(爆)。

「浩之さぁん……もう、切ないんですぅ……」

 小さく細かく息をしながら、俺を潤んだ瞳で見上げるマルチ。

「おう、そろそろだと思ってたぜ」

 ニヤリ。

 ……セリオは、まだ我慢してるみたいだけど……。
 タイトスカートから伸びた脚をぴったりと閉じ、何かを必死に堪えていたり
する。

「マルチ、ちょっと上向いて」

「はい……♪」

 ちゅっ……ちゅるる……。

「んふぁっ……」

 れろれろれろ……ちゅぱっ。

「あっ……浩之さぁん……」

 くてん……。

 うむ、マルチは堕ちた(笑)。
 次はセリオか……。

「ん、どうした? そんな目で俺を見ても、何も出ないぞ」

「いえ……何でもないデス」

 嘘こけ。
 『羨ましいデス、私もして欲しいですネ』ってな目ぇしてやがるくせに。

「宿題が終わったら、3人でな」

「は、はい……」

 かりかりと鉛筆を走らせている俺、でもその左手はマルチのOL制服の胸元
で蠢いていて。
 数秒間、セリオの目はそれに釘付けだったのを見逃さなかった。

「ああ……早くセリオにもキスしたいけど、この課題のプリントが終わらない
うちにはなぁ……」

「あっ、あの……浩之さん、すぐに終わりますか……?」

「いやぁ、それが全然さっぱり」

「では、私が代わりに……」

 うむ、そう言ってくれるのを待っていたが。

「でもなぁ、筆跡が違うとバレちゃうし」

 さすがにマズいよなぁ。

「それっぽく書きますから、大丈夫ですよ……鉛筆を拝借しますネ」

「おう」

 ぱしっ。

 かりっ……。

「――――自動書記を開始しマス」

 ……いやな名前の機能だなぁ。

「……それでは浩之さんっ」

 かりかりと、手だけ勝手に動かしてるセリオ。
 顔はこっち、俺を見ていて……それでもすらすらと問題は解かれている。

 なるほど、自動書記かよ。
 傍でじーっと見てる間に解いた答えを、俺の筆跡で定められた場所に書いて
いるセリオ……なまじ色っぽい視線だけに、勝手にすらすらと動いている手が
怖いようにも思えるが。

「おう」

 つい、と目を閉じて上を向くセリオ。
 今度はマルチだけでなく、セリオの胸も揉みながら……。

 ちゅ、ちゅぱっ……ちゅちゅっ。

「んっ、ふぅっ……」

 頬にかかるセリオの息が気持ちいい。

「ぷはっ……セリオ、もう書き終わった?」

「ええ、もう少し……はい、終わりました」

 かりかり、ころん。

「そっか、さんきゅな」

 ……うをを、まるで俺が書いたかのような字だ。
 複写だけじゃなくて、筆跡模写まで出来るのか……さすがだな、セリオ。

「……お礼は、言葉だけじゃなくて……」

「おう。きちんとわかるように、カタチにしてやるぜっ」

「あっ……あんっ、まるで拷問のような時間でしたぁ……」

 あ、マルチ。
 そういやずーっと胸を揉んでただけだったもんなぁ……酷なことをした。

「よしよし、2人とも一緒に相手してやるからな」

「「はい……♪」」






 次の日。

「藤田浩之。お前だけだぞ、全問不正解だったのは」

「……へっ? そ、そっすかぁ?」

「全く……しっかり勉強してるのか? 今日、もう1回やり直しして来い」

 ううむ……俺がやったのが間違ってるってのはわかるが。
 途中からはセリオがやってくれたんだし……あんなにすらすらと書いてたん
だから、まさか間違ってるとは思わなかったんだけど……。






「なぁ、セリオ」

「はい?」

「昨日のプリント……全問不正解だったんだけど、セリオがやった分まで答え
が間違ってるってのがどうにも解せない」

 サテライト・サービスで調べりゃ、どんな問題でもすぐに解けちゃうもんな。

「ああ……それは当然デス」

「と、当然?」

「『それっぽく』と申し上げたハズですが?」

 ……はい?

「『正解っぽく』書いたわけですから……正解を書けるハズがありませんよネ」

「……つまり、適当に書いたと?」

「左様デス」

 …………。

「昨日お前とした分、返せ」

「……はい?」

「ちゃんと書いてくれたもんだと思ってお礼したんだから、その分返してくれ」

「……で、では身体でお返しを……」

 ぷちぷち、はらりっ。

「よ、よしっ……ちょっと利息が付いたからなっ」

「ああっ……ま、街金よりも利率が高そうな予感デス……♪」

 つーかもう翌日ですでに元の2倍だ。
 俺の取り立ては厳しいぞ(爆)。






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