へなちょこセリオものがたり

その131「べとべと」








 かっぽーん。

「ふんふんふん、ふんふふん……♪」

 今日も浩之さんとの一戦を終え、マルチさんと2人で身体中の白いべとべと
を洗い流している私達。
 マルチさんは半分お眠、でも寝る前に身体を綺麗にしておきませんとネ。

「はうぅ〜……もう眠いのですう〜」

「はいはい、もうすぐ終わりますから」

 うふふ……もし『妹』という存在があったならば、きっとこんな感じなので
しょうか。

「浩之さん、最近強くなって来ましたネ」

 ざぱぁ……。

「ふっふっふー、それでも私達のこんびねいそんには敵わないのですう」

「ふふふ……」

 乾いたタオルでマルチさんの身体を拭き、脱衣場に送り出すと。
 寝ぼけ眼で、もそもそと寝間着を身に着けるマルチさん。

 私も続いて、寝間着を着ます。

「さぁ、浩之さんの部屋に参りましょう」

「はーい……」






 とんとんとん。

「浩之さん、入りますよ」

 言いつつ扉をがちゃっと開けると。

 びちゃっ!

「きゃっ!」

 私の頬に、白濁した液体が飛び散って。
 驚いて部屋の中を見ると、申し訳なさそうに浩之さんが佇んでいて……。

「お……おう、悪い悪い」

「……浩之さん、先程まであんなにしたのに……まだ足りなかったのですか?」

「いやぁ、1人でするのもまた違った趣向があってだな……」

 既に寝入ってしまったマルチさんを、そっとベッドに横たえて。
 私は浩之さんにずずいとつめ寄ります。

「……折角綺麗にしたのですから、今度は浩之さんが綺麗にしてください」

 ついっと頬を浩之さんに向けると、何気に困ったような顔をして。

「……拭けばいいんだろ、拭けば」

 ティッシュ箱に伸ばした手を制し、浩之さんの傍に座り。

「ご自分でかけたのですから……ご自分で綺麗にしてくださいネ?」

 つうっと頬を伝う白濁液を指ですくい取り、浩之さんの口に塗り付けて。

「ううっ、止めてくれぇ」

「何が嫌なのですか? さぁ、早く綺麗にしてください」

「ううっ……」

 ずいずいと顔を近付けると、浩之さんは遂に諦めたようで。
 私の顔にかかった白濁液を、つうっと舌で舐め取って行き。

「あんっ……」

「……うっぷ、勘弁してくれよぉ……」

「ならば○ルピス鉄砲など、もうしまってくださいな」

「いいだろ、楽しいんだからさぁ」

 ぴゅーっ。

「いちいち洗うこちらの身にもなってくださいっ」

「だってさ……もう胸焼け寸前なんだから、舐め取る方の身にも……」

「なりません」

「はい……」

 残念そうにカルピ○鉄砲を放り投げる浩之さん。
 私は、首筋を通り越して胸元に進む浩之さんの舌の動きを楽しんでいるので
ありました。






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