へなちょこセリオものがたり

その133「仲よく喧嘩しな」








 じゅび――――む。

「おわぁ!」

 いつも通りと言えばいつもの通りに、セリオの目から発射されたレーザーを
紙一重でかわす俺。
 これが衛星軌道砲だったりしたらかわしきれるもんでもないが。

「ったく……猫の皮被った戦略兵器か、お前は」

「あら、オコトバですネ。そういう浩之さんは……」

「俺? 俺は単なるいち高校生だが?」

「そんなことないですよぉ?」

 ひょっこり。

「浩之さんだって、立派に……ねぇ、マルチさん?」

「ええ、そうですよねセリオさん?」

 2人して何さ。

「俺が立派に何だって?」

「浩之さんも、立派に……」

「立派に、皮を被って……」

 ……ぷつん。

「おっ、お前らなぁ! 女の子がそういうことを平気でべらべらと……」

「やーんっ、浩之さんご乱心ですぅ〜っ☆」

「ふふふっ、図星を突かれたから怒っていらっしゃるのデス」

 とたたたた……。

「あーもう、くそっ! 逃げるなぁっ!」

 だだだだだ……。






 今日も今日とて、追いつ追われつな俺達なのだった。






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