へなちょこセリオものがたり

その153「胸。」








「…………」

 俺は薄暗い部屋の中、じーっとある一点だけを見つめていた。

 すやすやすや……すぴょーっ。

 幸せそうに寝ているマルチは置いといて。
 反対側に眠っている、セリオの胸に視線を注いでいた。

 パジャマ代わりのタンクトップ。
 布地が少なく、男にとって犯罪的な存在だと俺は思うのだが。

「…………」

 横から見える乳。
 上から見える乳。
 下から見える乳。
 うーむ、どの方向からも乳が見えるとは素晴らしい。

 で、気が付くと。
 何ラウンドかこなした後だってのに、俺の暴れん棒はまた元気になっていた。

「このままでは眠れんな……」

 セリオには悪いが、起きて俺の相手をしてもらうことにしよう。

「セリオ、セリオ」

「はぷー……」

 セリオにしては間抜けな寝言だ。
 可愛い奴め。

「セリオってばよ」

 呼びかけても返事がないので、俺は強硬手段に出ることにした。
 タンクトップの横から手を入れ、セリオの胸を揉む。

 すべすべで柔らかく、それでいて弾力があって。
 これ程揉みたくなる胸もそうそうないだろう。

「んっ……あはぁ」

 む、セリオに反応あり。
 このまま攻撃を続行せよ。

 もみもみもみ。

「……ああもう、我慢出来ねぇ!」

 俺はタンクトップをまくり上げ、直接セリオの胸に顔を埋める。
 ぱふんっと幸せな感触に包まれ、俺のボルテージも一気に上がる。

「セリオ……起きないんなら、もっと色んなことしちゃうぜ」

 左手は胸を揉んだまま、もう一方を舐め回し始めた俺。
 ぴちゃぴちゃと音が響く中、セリオの吐息も聞こえて来た。

「あっ……あふっ……んっ」

 寝ていても、身体は反応するものである。
 セリオの乳首が次第に固くなり始め、俺はそれを見て悦に浸る。

「へへへ……もっといぢってやれば起きるよな」

 くりくりっ。

「あっ、はんっ」

 びくんと身を震わせるセリオ。
 さすがにこれは起きただろう……と思っていたが、まだ目を覚ましてはいな
かった。
 むきになった俺は、やや乱暴に胸を揉みしだく。

「ああっ……あ、浩之さん?」

「やっと起きたか」

「あの……何をなさっているので?」

 紅潮した頬を押さえながら、不思議そうに聞く。

「見ればわかるだろ……なぁセリオ、もう1回しようぜ」

「駄目デス……浩之さんの体力から判断して、今晩はもう休んだ方が」

「そんなこと言ってもさ、ほら」

 ぽろり。

「まぁ」

「な? 寝てるセリオの胸見てたら興奮しちゃってさぁ」

「そんな心をくすぐる嬉しいことを言われても」

 そう言ったセリオだが、もうこれは止められないと思ったのか。

「で……でも、これではさすがに寝られませんよネ」

 ぴとっと俺の暴れん棒に手を添えて。
 導くように、自分の胸の谷間へ挟み込み。

「今晩はこれで最後ですよ……?」

 ぱふっ……ぺろぺろっ。

「お、おおう」

 俺の言葉は返事になってはいなかったが。
 セリオは丁寧に、そして時には荒々しく……俺が満足するまでそれを続けて
くれたのだった。






「浩之さん」

「ん?」

「今度同じようなことがあったら、普通に起こしてくださいネ」 

「おう」

「浩之さんのしてくださること、ちゃんと全部覚えていたいですから……」

 ぽふっ。

「……おう」

 セリオの頭を抱きながら、俺は半ば照れつつ返事を返すのであった。






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