へなちょこセリオものがたり

その167「今日のもっこり中継」








 じーっ……。

「ぐー……すぴょぴょぴょ……」

 人体とは、誠に摩訶不思議デス。
 昨夜はあれだけ酷使したと言うのに、朝になると何事もなかったかのように
こんなにも隆々とそそり立っていマス。

 じーっ……。

 昨夜のご奉仕では、まだ足りなかったと言うことでしょうか?
 否、浩之さんは満足して眠りに就かれたハズです。
 それとも、浩之さんの回復力が並外れているのでしょうか?

 じーっ……。

 よく見ると、時々少し動いています。
 全く元気なものですネ。
 だからこそ、私達もブレーカーが落ちる程悦ばせていただいているのですが。

 ぽっ。

 うふふ、昨夜のことを思い出してしまいました。
 もう限界だと言っているのに、浩之さんったら無理矢理……。
 浩之さんには敵いませんネ。

「うふふ」

 つんっ、とそれを突付いてみると。
 浩之さんは、びくんと身体を動かして。

「まだ足りないのか……愛い奴め」

 ごにょごにょと、可愛く寝言。
 愛い奴なのは浩之さんの方デス。
 思わず寝顔にキスなんかしてしまいましょう。
 思わずですから仕方ないですよネ。

 ちゅっ。

「う〜ん……」

 あらあら、あまり悪戯すると浩之さんが起きてしまいます。
 昨夜は遅くまで頑張っていたのですから、もう少しお休みしているべきです。

 私は浩之さんの髪をそっとなで付けて、気持ちよく眠れるようにお呪い。
 浩之さんが元気で起きられますように……。

「そんなとこにいないで、もっとこっち来いよぉ……」

 くすくす、浩之さんが呼んでいるのは私でしょうか? それともマルチさん
でしょうか?

「あかりぃ……」

「…………」

 ずごん。

 私は浩之さんの頭を思い切り殴り付けて、深く眠れるようにお呪い。
 浩之さんが浮気しませんように……。

 さぁ、私は家事を済ませることにいたしましょう。
 浩之さんウォッチングはここまでデス。
 お外を見ると、いいお天気。
 今日もいい日になりそうですネ。






<……続きません>
<戻る>